哲学初心者向けの人気おすすめ著作を紹介!入門書ごとに特色を解説。

哲学初心者向けの人気おすすめ著作を紹介!入門書ごとに特色を解説。

おすすめ哲学入門書を選んだ基準は?

おすすめの基準は人気度、面白さ、分かりやすさ。

 哲学の入門書はいろいろありますが、それがどれくらいの入門なのか気になるところ。ここではその入門書の人気度、面白さ、分かりやすさなどを総合的に評価して厳選して哲学の入門書を紹介する。その入門書の特色にも触れるので、どれを買うか迷ったときは、ぜひ参考にしてもらいたい。

哲学入門書(思想編)

人気No. 1【史上最強の哲学入門】

飲茶『史上最強の哲学入門』河出文庫、2015年。

 Amazonでも圧倒的人気を誇る哲学入門書が『史上最強の哲学入門』である。

 定番の入門書に足りないのは「バキ」感であるとの思想から、バトルの舞台を四つ(真理、国家、神様、存在)に分け、それらに関する哲学者たちの熱き哲学論の戦いという図式で入門書を書いた意欲作である。とにかく表紙のイラストが『バキ』シリーズの作者の板垣恵介さんなので、なんか表紙だけですごい。

 有名な哲学者はだいたい登場するし、その哲学者の言いたかったことを簡単にまとめて、次世代の哲学者と対決させるという構図は非常にスリリングだ。

 超大雑把に哲学の議論の雰囲気がわかる入門の入門書である。しかし、有名どころでいうと、ライプニッツやフィヒテ、メルロ=ポンティ、ヴィトゲンシュタインなどは取り上げられていない。哲学者に昔こんなことを言う人がいてね、それに対して後世の人はこんなこと言ってね、またそれに対して次の世代の人がこんなこと言ってね、と哲学の議論が進んでいった様を知りたい人は、この入門書から始めることをお勧めする。

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詳しい内容解説はこちら:『史上最強の哲学入門』紹介|内容解説、おすすめと物足りない点、次読むべき著作は?

人生を変えていく入門書【現代思想入門】

千葉雅也『現代思想入門』講談社現代新書、2022年。

 哲学者でありながら小説家でもあり、芥川賞にノミネートされたこともある多彩な思想家、千葉雅也さんによる本格的な現代思想の入門書である。

 ここでいう現代思想というのは20世紀後半の主にフランスで展開された「ポスト構造主義」の哲学を指している。彼らの哲学書は、そのほかの哲学書もだいたいそうであるけれど、独特な難解さをもっており、その入門書から読み始める人も多い。しかし入門書でさえも難しいわけだ。本入門書はそういった「ポスト構造主義」の著作の入門書を読むための入門書、いわゆる入門の入門的性格を帯びている。

 主に扱われる哲学者はデリダ、ドゥルーズ、フーコーである。彼らの哲学をそれぞれ「概念の脱構築」「存在の脱構築」「社会の脱構築」と区分し、明快な切り口で論じている。またそれら「ポスト構造主義」の哲学者が生まれてきた背景(マルクス、フロイト、ニーチェ、ラカン、ルジャンドル)とその「ポスト構造主義」の展開である「ポスト・ポスト構造主義」(マラブー、メイヤスー、思弁的実在論)も論じており、現代にまでつながる歴史全体を学ぶこともできる。入門なのに引用があるのもとても良い。

 最大の特色は現代思想を現代の生き方と接続させたことだ。キャッチフレーズの「人生が変わる哲学」もあながち嘘ではない。現代思想を学べばどのように生きることができるのか、Twitterなどの具体例を挙げてそれを示している。専門性を残しながら分かりやすく、この語り口は相当な書き手でないと真似できないと思う。これは超おすすめである。

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最先端の哲学

詳しい要約・解説はこちら:千葉雅也『現代思想入門』紹介|内容要約、感想と考察、次読むべき著作は?

これがあれば十分【大学4年間の哲学が10時間でざっと学べる】

貫成人『大学4年間の哲学が10時間でざっと学べる』角川文庫、2019年。

 西洋哲学史だけでなく東洋哲学史も兼ね備えている。専門的になりすぎず平易な語り口で、だけれども良質な内容。正直とりあえず哲学の全体像を抑えたいならまずこれを買って読んでみればいいのではないかと思ったくらいによくできてると思う。とりあえず哲学(東洋哲学も含めた)の全体像が把握できる。

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哲学用語丸わかり【哲学用語図鑑】

田中正人(斎藤哲也編)『哲学用語図鑑』プレジデント社、2015年。

 正義、国家、人工知能など哲学用語についてかわいい図解入りで解説した哲学用語入門書。哲学の概念って難しい、そもそも哲学ではどんな言葉が使われてるの?と思った人や教養を身につけた人にはとっておきの図鑑である。

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メディアと哲学【哲学と人類】

岡本裕一朗『哲学と人類 ソクラテスからカント、21世期の思想家まで』文藝春秋、2021年。

 入門書を数多く執筆している岡本氏による、メディアとの関連で哲学史を取り扱った独特な著作。それゆえ刺激的かつ面白い。文章もそれなりに平易。とりわけ哲学史は「文字」というメディアを軸として考察される。

 入門書の域は超えているが、平凡な哲学入門書に飽きた人におすすめ。

内容要約・感想・考察はこちら:『哲学と人類』紹介|内容要約と感想・考察、次読むのにおすすめの著作は?

キャラクターがかわいい【まんが哲学入門】

森岡正博・寺田にゃんこふ『まんが哲学入門ーー生きるって何だろう』講談社現代新書、2013年。

 生きるということを哲学的な概念「時間」「存在」「私」「生命」という観点から探っていく。哲学者森岡氏とまんが家寺田氏による共同入門書。哲学的に物事を深く思考したい人におすすめ。

 

哲学入門書(哲学者、著作編)

スピノザの思想がよく分かる【はじめてのスピノザ】

國分功一郎『はじめてのスピノザ 自由へのエチカ』講談社現代新書、2020年

 名著『中動態の世界』の著者でスピノザ研究者でもある國分氏の、ページ数およそ100ページぐらいの短い入門書。もともと『100分de名著』だったものを再構成したもの。スピノザの思想が自由や死などの現代社会の問題と絡めて紹介されていてためになる。またデカルトとの接点など専門的な内容にも触れていて得した気分になる。

漫画で分かる【現象学の理念】

須賀原洋行『現象学の理念』講談社まんが学術文庫、2020年。

 現象学的還元とは何かがまんがで分かってしまう入門書でありまんがである。ラーメン屋の店長がラーメンを頼むと現象学的還元ラーメンを出してくる。ラーメン作りを通して難しく考えがちな哲学の概念である現象学的還元をを分かりやすく解きほぐす。

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存在って何?【ハイデガー『存在と時間』(NHK100分de名著)】

戸谷洋志『ハイデガー『存在と時間』2022年4月(NHK100分de名著)』NHK出版、2022年。

 専門用語を最小限に人間ひとりひとりの生き方という視点から解読した入門書。専門用語も最小限に絞って「存在」「不安」「本来性」に焦点が当てられている。著者がハイデガーの弟子であったハンス・ヨナスの研究者だったこともあり、最後にハイデガーのナチス擁護という問題をハイデガーの弟子たち、アーレントやヨナスが、どのように乗り越えていったのかを読み解いていく。

 『存在と時間』の格好の入門書でありながら、ヨナス研究者ならではの新たな切り口で『存在と時間』に迫っていく。

理性が問題?【カント入門】

石川文康『カント入門』ちくま新書、1995年。

 カント『純粋理性批判』の訳者による不朽の名入門書。カントにとっての一大発見は理性は間違えるということだった。その一大発見を中心に主著『純粋理性批判』を読み解く。難解だった『純粋理性批判』でカントが何をやりたかったが分かってくる。アンチノミーの詳しい意味などあってなお面白い。

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