哲学初心者向けの人気おすすめ入門書・解説書!ランキング形式で紹介|公共・倫理

哲学初心者向けの人気おすすめ入門書・解説書!ランキング形式で紹介|公共・倫理
目次

おすすめ哲学入門書を選んだ基準は?

おすすめの基準は読みやすさ、面白さ、分かりやすさ、内容の充実度。

 哲学に興味のある人向け著作もいろいろある。入門書では、主に歴代の思想家(哲学者)の思想を紹介する思想史系の入門書と、哲学の重要問題について考えてみようというような思考系の入門書の二種類ある。さらに思想家一人ひとりの解説書や、専門家向けの専門書、研究書、そして自らの哲学的テーマに沿って探究した哲学書がある。後者に行くに従って難しくなるが、哲学に参入するのにどこから入らなけらばいけないかに決まりはない。自分が興味関心をもった本から読み進めて哲学に参入しよう!

 ここでは最新の入門書を厳選し、読みやすさ、面白さ、分かりやすさ、内容の充実度などの観点からランキング形式でを紹介する。

 他に、哲学の重要概念は「哲学の最重要概念入門」、世界の必読哲学書は「本格的な人向けおすすめ世界の哲学書」、日本の哲学書のおすすめは「日本の哲学書おすすめ名著」、現象学入門は「現象学のおすすめ入門書と専門書」で紹介している。ぜひこちらもご覧ください。

哲学入門書(思想史系)

第1位:岡本裕一郎『哲学の名著50冊が1冊でざっと学べる』

 『哲学100の基本』や『教養として学んでおきたいニーチェ』などで一般読者層にも分かりやすい入門書を手掛けながら、『哲学と人類』や『ポスト・ヒューマニズム』などで、哲学の最先端にも精通している哲学者岡本裕一朗氏による教養書である。岡本氏の著作はハズレがない。

 プラトン『ソクラテスの弁明』からマルクス・ガブリエル『なぜ世界は存在しないのか』まで、哲学分野で名著とされる作品の要点を図版を使いながらわかりやすく整理し解説する。現代社会を生き抜く上での「生きるための教養」を提供してくれる1冊である。

第2位:貫成人『大学4年間の哲学が10時間でざっと学べる』

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 一冊で哲学を学びたいなら最良の書。西洋哲学史だけでなく東洋哲学史も兼ね備えている。専門的になりすぎず平易な語り口で、だけれども良質というなかなかない入門書である。

 正直とりあえず哲学の全体像を抑えたいなら、まずこれを買って読んでみればいいのではないかと思ったくらいによくできてると思う。著者も哲学研究の専門家なので、かなりきっちりとした哲学(東洋哲学も含めた)の思想史的な全体像が把握できる。

第3位:出口治明『哲学と宗教全史』

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 ビジネス書大賞2020特別賞受賞。哲学と宗教を分けて考えずに解説した「哲学と宗教全史」である。ソクラテス(無知の知)やプラトンだけでなく、イエス・キリストや仏陀も登場する。巻頭と巻末には古代ギリシャから現代までのカラージャバラが付いており、読みやすさ分かりやすさ理解しやすさ面白さという点で一級品の解説書である。

第4位:ナイジェル・ウォーバートン『若い読者のための哲学史』

 『若い読者のための』シリーズの哲学史版。哲学の歴史に関する入門書であり、39人の思想家の思想が紹介されているが、その中でもチャールズ・ダーウィンや現代の哲学者ピーター・シンガーを取り扱っているのが特徴である。やや倫理学的な内容が多くなっており、「よく生きるためにどうしたらよいか」を考えさせてくれる良書である。

第5位:小寺聡『もう一度読む山川倫理 PLUS』

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山川出版社
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 日本史や世界史の教科書で有名な山川出版社が出版している本書。『もう一度読む山川倫理』の続編であり、哲学・宗教・文学などから34人の先人たちの思想を紹介している。多様な人生観・世界観・倫理観に触れながら、生きるヒントを見つけることができる1冊である。

第6位:MARO『聖書を読んだら哲学がわかった』

 西洋哲学の背景には必ずといっていいほどキリスト教がある。このように、キリスト教という西洋哲学に存在する土台をしっかりと押さえながら、全く新しい視点で西洋哲学を解説する画期的入門書。今まで哲学が何をいっているのか分からなかったという人も、哲学をすんなり理解できるようになる!

第7位:飲茶『史上最強の哲学入門』

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 Amazonでも圧倒的人気を誇る哲学入門書が『史上最強の哲学入門』である。

 定番の入門書に足りないのは「バキ」感であるとの思想から、バトルの舞台を四つ(真理、国家、神様、存在)に分け、それらに関する哲学者たちの熱き哲学論の戦いという図式で入門書を書いた意欲作である。とにかく表紙のイラストが『バキ』シリーズの作者の板垣恵介さんなので、なんか表紙だけですごい。

 有名な哲学者はだいたい登場するし、その哲学者の言いたかったことを簡単にまとめて、次世代の哲学者と対決させるという構図は非常にスリリングだ。

 超大雑把に哲学の議論の雰囲気がわかる入門の入門書である。しかし、有名どころでいうと、ライプニッツやフィヒテ、メルロ=ポンティ、ウィトゲンシュタインなどは取り上げられていない。哲学者に昔こんなことを言う人がいてね、それに対して後世の人はこんなこと言ってね、またそれに対して次の世代の人がこんなこと言ってね、と哲学の議論が進んでいった様を知りたい人は、この入門書から始めることをお勧めする。

>>関連記事:『史上最強の哲学入門』紹介|内容解説、おすすめと物足りない点、次読むべき著作は?

第8位:千葉雅也『現代思想入門』

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 哲学者でありながら小説家でもあり、芥川賞にノミネートされたこともある多彩な思想家、千葉雅也さんによる本格的な現代思想の入門書である。

 ここでいう現代思想というのは20世紀後半の主にフランスで展開された「ポスト構造主義」の哲学を指している。彼らの哲学書は、そのほかの哲学書もだいたいそうであるけれど、独特な難解さをもっており、その入門書から読み始める人も多い。しかし入門書でさえも難しいわけだ。本入門書はそういった「ポスト構造主義」の著作の入門書を読むための入門書、いわゆる入門の入門的性格を帯びている。

 主に扱われる哲学者はデリダ、ドゥルーズ、フーコーである。彼らの哲学をそれぞれ「概念の脱構築」「存在の脱構築」「社会の脱構築」と区分し、明快な切り口で論じている。またそれら「ポスト構造主義」の哲学者が生まれてきた背景(マルクス、フロイト、ニーチェ、ラカン、ルジャンドル)とその「ポスト構造主義」の展開である「ポスト・ポスト構造主義」(マラブー、メイヤスー、思弁的実在論)も論じており、現代にまでつながる歴史全体を学ぶこともできる。入門なのに引用があるのもとても良い。

 最大の特色は現代思想を現代の生き方と接続させたことだ。キャッチフレーズの「人生が変わる哲学」もあながち嘘ではない。現代思想を学べばどのように生きることができるのか、Twitterなどの具体例を挙げてそれを示している。専門性を残しながら分かりやすく、この語り口は相当な書き手でないと真似できないと思う。これは超おすすめである。

>>関連記事:千葉雅也『現代思想入門』紹介|内容要約、感想と考察、次読むべき著作は?

第9位:田中正人『哲学用語図鑑』

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 正義、国家、人工知能など哲学用語についてかわいい図解入りで解説した哲学用語入門書。

 哲学の概念って難しい、そもそも哲学ではどんな言葉が使われてるの?と思った人や、教養を身につけたい人にはとっておきの図鑑である。

第10位:小川仁志『ざっくりわかる8コマ哲学』

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朝日新聞出版
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 8コマ漫画でさくっと分かる哲学の入門書。哲学史上重要な哲学者の考えを、35のテーマに分けて解説。難しい哲学の話も漫画(8コマ漫画)なのですらすらと理解できる。

第11位:レベッカ・バクストン 編著『哲学の女王たち』

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 哲学史を考えると、プラトンやアリストテレス、デカルト、カントなど男性哲学者を思い浮かべるが、その陰には、数多くの有能な女性哲学者たちがいた。本書はもう一つの哲学史として、これまで見落とされてきた、主に女性の20名の思想家を紹介する一風変わった新たな哲学思想史入門書である。

第12位:飲茶『史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち』

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 飲茶氏による『史上最強の哲学入門』の姉妹編。本書は東洋の哲人たちの思想が紹介される東洋哲学入門書。インド、中国、そして日本哲学と西洋哲学との違いを説明しながら丁寧に解説してくれる。

第13位:川口茂雄 編著『現代フランス哲学入門』

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ミネルヴァ書房
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 「きちんと知りたい」に応える、フランス現代思想の最新版入門書。19世紀から現代まで、フランスの思想家120名の重要人物を気鋭の執筆陣が丁寧に紹介しています。

第14位:斎藤幸平『ゼロからの『資本論』』

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 マルクス『資本論』に関する画期的な入門書。未完の大著『資本論』でマルクスは何を言おうとしていたのだろうか。昨今研究が進んでいる彼の草稿からマルクスの真意を読み解きます。

 そして、資本主義を乗り越えるためにどうしたらいいのか。処方箋としてのコミュニズムを斎藤氏は丁寧に解説してくれます。

関連記事:マルクスのユートピアで暮らしたいとは思わないなあーー『ゼロからの『資本論』』書評

入門書(思考系・生き方系)

 古今東西の哲学者の思想や哲学史ではなく、哲学における重大テーマについて一緒に考えさせてくれるような入門書も数多くある。ここではそれらをテーマにした入門書を集めた。現代も様々な問題が溢れている。生、死、病気、出産、結婚、労働などさまざまなテーマについて考え、私たちのこれからの生き方の指針を与えてくれる。

第1位:ジュリアン・バジーニ『100の思考実験』

 これは「読む」本ではなく、「考える」本である。身体と脳、自意識、言語、宗教、芸術、環境問題など、多岐にわたるテーマから100の問いをまとめた、哲学的思考実験の入門書。誰も損をしなければ何をしてもよいか?など素朴で深い問題に真剣に向き合うことができる良書である。

第2位:アバタロー『人生を変える哲学者の言葉 366』

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 書評YouTuberアバタロー氏による現時点での最新刊。360以上の名言とともに、関連知識・年表・おすすめの古典紹介など単なる名言集にとどまらない。モチベーションを上げてくれる言葉、自己肯定感を高める言葉など、哲学者の含蓄のある名言を読んで人生を変えよう。

第3位:飲茶『正義の教室』

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 『史上最強の哲学入門』シリーズでおなじみの飲茶氏による『正義の教室』。「正義」について哲学者たちはどう考えたのか。正義の基準について、平等、自由、宗教という3つの観点から哲学の要点をわかりやすく捉えていく入門書。30人の幼児と自分の娘、あなたならどちらを助けるか?

第4位:岡本裕一郎『哲学100の基本』

 『MBA100の基本』に続く、23万部突破のベストセラーシリーズ最新刊。哲学の基本を前提知識なしに学べる入門書。カント/プラトン/マルクス・ガブリエル/和辻哲郎/ニーチェ/ヴィトゲンシュタイン/ハイデガーなど名だたる知の巨人たちを参照しながら、人間とは何か、何を知りうるかなど、哲学の根本テーマについて哲学者はどう考えてきたかを紹介する。

第5位:稲岡大志 等『世界最先端の哲学が教えるすごい哲学』

 少し変わっている哲学の入門書。哲学では古典的に「トロッコ問題」や「水槽の中の脳」の問題が馴染み深いものでした。本書ではそれらの古くからある哲学的テーマは登場せず、マッチングアプリで好みでない人のタイプを書くのは差別か?や、企業がリモートワークを導入しないことは悪いことなのか? など最新の哲学研究の主題とその成果がわかります。

第6位:岡正博・寺田にゃんこふ『まんが哲学入門ーー生きるって何だろう』

 生きるということを哲学的な概念「時間」「存在」「私」「生命」という観点から探っていく。哲学者森岡氏とまんが家寺田氏による共同入門書。生きるって結局のところどういうことだろうか。哲学的に物事を深く思考したい人におすすめ。

第7位:小川仁志『中高生のための哲学入門』

 これから大人になる人たちへ、異色の哲学者小川仁志が語る「哲学からはじまる」大人への入門書。日本では18歳から社会人である。これからの18歳に求められる、自分と社会のつなぎ方を的確に分かりやすく語ってくれる。

第8位:齋藤孝『思考の達人デカルトに学ぶ』

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 世の中には難しい問題が溢れている。それをフランスの哲学者デカルトが編み出した「むずかしい問題を考え抜くための4つのルール」を駆使して考えてみよう。10歳から身につけられる4つのルールを使って、学校の勉強からSDGsまで自分の頭で考えてみるための教科書です。

第9位:永井玲衣『水中の哲学者たち』

 若き哲学研究者にして、哲学対話のファシリテーターによる、哲学のおもしろさ、不思議さ、世界のわからなさを伝える詩的な哲学エッセイ。永井氏と一緒に「手のひらサイズの哲学」を考えてみよう。

第10位:岸見一郎『これからの哲学入門』

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 ”負ける哲学者”岸見一郎が、先が見えない時代に私たちはどのように考えたらいいのかを語る。不安と先行きの読めないコロナ時代の中で、生きる勇気が湧く言葉の数々がここにある。今、最も古くて最も新しい生き方・考え方を知れる最良の入門書。

第11位:坂本尚志『バカロレアの哲学』

 バカロレア試験に通用するバカロレア哲学の「思考の型」を身につけよう。労働はわれわれをより人間的にするのかという問いに直面した時、抽象的で複雑な問題と感じるでしょう。でも大丈夫、こういった抽象的な問題に対して、多種多様な人間にも通じる「思考の型」が存在するのです。本書はその「思考の型」を解説する哲学ガイドです。「思考の型」を身につけ、自分の考えを他者に通じるように明解に表現できるようになろう。

第12位:戸井田道三『生きることに○×はない』

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 在野の哲学者である戸井田道三が青少年向けに書いた自伝的エッセイです。母親との死別、結核などの大病、関東大震災での朝鮮人虐殺など、彼の過去の辛い人生経験から「生きることの意味」について戸井田は考えます。「生きることの意味」とは一体何なのか。私たちに立ち止まって考えさせてくれる珠玉のエッセイ。朝日新聞連載「折々のことば」でおなじみの哲学者、鷲田清一氏による解説付き。

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