すべては因果の流れの中に
『ベルセルク』
「世界は謎に満ちている」の文章を書こうとするのはそれなりの苦痛を伴っている。どういうことかというと、書くこと思いついたぞ、と思ってもすぐ忘れてしまうのである。いざ、書こうと思うと何も思いつかない。文章を書くということには往々にしてこういったジレンマに陥りやすい、ということを有名な作家か何かが言っていた気がする。ここから、思考の発生における現象学的な問いが・・・・・とか、言ってみることもできる。なるほど深い問いだ。しかし、兎にも角にも私が(自分に!)言いたいのは、そういうふうなことはやめていただきたいということだ。思いついたことは忘れずにいたいし、書こうと思ったらアイディアを思いつきたい。なのに、なぜこんな面倒くさいことになっているのか。分からない。が、とにかく分かっていることもある。そう、今現在何も思いついていないということである。
現在「株」というものに手を出している。正直にいうと何が何だかわからない。勝てる気がしないし、実際に勝てない。天才的な才能の無さを目の当たりにし悶絶している。株に絶対的な基準はない。株価にせよ、時価総額にせよ、何兆にいったから高い、とかどこまで下がったから低いということはない。そうではなくて、他の企業と比べて高いか低いか、という相対評価があるだけである。これが難しいところであとは株価は需給が決定する。ここに株価のブラックボックスがあって、株の売買には様々なトレーダーが参加し、なかには特に理由もなく売り買いしている人もいっぱいいるので、なぜ買ったのか、売ったのかがわからないのだ。ただなんとなく波ができるということは高いと売りたいし安いと買いたくなるということだろう。かなり謎なので、これで勝てている人には賞賛をあげたい。
他、あの斬られた敵から飛び散る血の描き方のこだわりといったら。人の欲望や恐怖といったものが描かれているので、精神分析的なものとして読むことができる。結末はどうするんだろうか? キャスカが正気を取り戻し、ガッツと末長く暮らしていくことになるとは到底思えない(『ベルセルク』)。
ヒロインは絶対必要という気迫を感じる。列車が一車両ずつ落ちていく中をトム・クルーズらが登っていくシーンは監督の趣味を感じた(『ミッション・インポッシブル デットレコニング』)。本月続編が映画館で公開されるので、ぜひみていただきたい。
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