ロールズとその周辺を学ぶためにおすすめの本
ジョン・ロールズの思想を学ぶといってもいろいろな段階があるので、入門編から発展編まで人気おすすめ著作を紹介することにした。
ロールズの思想を楽しみながら知りたいという人は入門編、ロールズの思想からその批判者までを深く知りたいという人は発展編の著作を読むべしだ。自分のレベルに合わせて読んでみることをお勧めする。
また、ルソーの入門書は「ルソーのおすすめ入門書・解説書」、カントの入門書は「カントのおすすめ入門書・解説書」、アーレントの入門書は「アーレントのおすすめ入門書・解説書」、倫理学(功利主義)の入門書は「倫理学のおすすめ入門書・解説書」、世界のおすすめ哲学書は「本格的な人向けおすすめ世界の哲学書」で紹介している。ぜひこちらもご覧ください。
入門編
玉手慎太郎『今を生きる思想 ジョン・ロールズ 誰もが「生きづらくない社会」へ』
政治哲学の古典としての地位を確立しながら、なかなか読まれることのない『正義論』(英語の原著で500ページ超!)。そのロールズの主著『正義論』を読み解き、ロールズの思想の核心に触れていきます。「今を生きる思想」シリーズのロールズ入門書です。
『ジョン・ロールズ 社会正義の探究者』
ロールズの思想を、彼の研究の最新の知見を踏まえて明らかにしようとした入門書。最新の研究によりロールズの過去がどれくらい『正義論』などに反映されているか分かるようになってきました。その知見を組み込みエピソードを交えながら『正義論』や『政治的リベラリズム』、『万民の法』を読解していきます。
発展編
『正義とは何か-現代政治哲学の6つの視点』
本書ではロールズから始まる現代正義論の思想的系譜を辿っていきます。ロールズのリベラリズムから始まり、リバタリアニズム、サンデルで有名なコミュニタリアニズム、フェミニズム、コスモポリタニズム、ナショナリズムと6つ思想を紹介・解説してくれます。
『公共哲学入門: 自由と複数性のある社会のために』
公共哲学というと聞きなれない言葉ですが、広い意味でロールズなどの政治哲学もこの中に含まれます。本書は公共哲学の入門なので、ロールズ以前の政治哲学(カント、アーレント、ハーバーマス etc.)から功利主義、リベラリズム、リバタリアニズムと入門的な解説がなされます。コミュニタリアニズムの章はないですが、逆にケイパビリティ・アプローチ(アマンティア・セン)やデモクラシーの章など、公共哲学ならではの視点から扱われる章が複数あるのが特徴です。