トマス・アクィナスの哲学を学ぶために
トマス・アクィナスの哲学を学ぶといってもいろいろな段階があるので、入門編から発展編まで厳選して人気おすすめ著作を紹介することにした。
トマス・アクィナスの思想を楽しみながら知りたいという人は入門編、トマス・アクィナスを深く知りたいという人は発展編の著作から読むべしだ。自分のレベルに合わせて読んでみることをお勧めする。
また、他のおすすめ書物は「プラトン哲学のおすすめ入門書・解説書」「アウグスティヌスのおすすめ入門書・解説書」「デカルト哲学のおすすめの入門書・解説書」「パスカルのおすすめ入門書・解説書」「ルターのおすすめ入門書・解説書」「本格的な人向けおすすめ世界の哲学書」で紹介している。
ぜひそちらもご覧ください。
入門編
稲垣 良典『人と思想 114 トマス=アクィナス』
人と思想シリーズのトマス=アクィナス編。トマスの生涯が解説され、そこから彼の思想の真髄を描き出す。
トマスの現代的な意義にも触れられるところが特徴である。
山本 芳久『世界は善に満ちている―トマス・アクィナス哲学講義―』
すでに一般向けに『トマス・アクィナス――理性と神秘』や『トマス・アクィナス 肯定の哲学』を著してきた筆者が、少し難解であったと言う指摘を受けて、今度は「哲学者」と「学生」との対話形式で執筆したのが本書である。
本書では主にトマス・アクィナスの感情論を解説しているので、生涯などは詳しく描かれていない。
トマス・アクィナスの感情論から「愛」や「善」について考えてみたい方におすすめの一冊である。
発展編
山本 芳久『トマス・アクィナス――理性と神秘』
トマスへの入門書であるが、広く浅くトマスの思想を広く概観した概説書ではない。
心惹かれたトマスの言葉を引用しながらトマスの思想を読者と一緒に読み解いていくというスタイルをとっており、入門書にしては「狭く、深く」のスタイルをっている。
著者はNHK100分de名著でアリストテレス『ニコマコス倫理学』を解説した山本芳久氏で、彼のもう一つのトマスに関する解説書『世界は善に満ちている―トマス・アクィナス哲学講義―』よりは難しいとの評判。
著作
『精選 神学大全』
トマス・アクィナスが生涯をかけた大著。
創文社の全訳では45巻にまで及ぶが、そのうち『神学大全』の中核をなすところを盛り込んでいる。全4巻である。




