シェリングを学ぶ人のために
フリードリヒ・ヴィルヘルム・ヨーゼフ・シェリング(1775年ー1854年)は、ドイツ観念論の哲学者です。
15歳でテュービンゲン大学の神学部に入学。ヘーゲルや詩人ヘルダーリンと同窓になり「テュービンゲン三人組」として親交を深めました。この時期、カントやフィヒテの哲学に触れ、フランス革命の影響も受けました。
カントの批判哲学を学びつつも、フィヒテの自我哲学に強く影響され、1795年に最初の論文『自我の本質について』を発表。早くも独自の哲学的視点を示しました。
主著である『人間的自由の本質について』(1809年)は、自由と必然、善と悪の関係を探求し、後の実存主義に影響を与えました。
シェリングの思想は19世紀のロマン主義や自然科学(エルステッドの電磁気学)に影響を与えました。20世紀では、実存主義(キルケゴール、ハイデガー)やプロセス哲学(ホワイトヘッド)などに間接的な影響を与えています。
本記事ではシェリングのおすすめ入門書・解説本・著作を紹介します。
また他に、プラトン、スピノザ、ライプニッツ、カント、フィヒテ、ヘーゲル、キルケゴールのおすすめ入門書・解説本・著作を紹介している。
世界のおすすめ必読哲学者は「本格的な人向けおすすめ世界の哲学書」、初学者向けおすすめ入門書は「哲学初心者・素人向け人気おすすめ入門書」している。
ぜひそちらもご覧ください。
入門編
『叢書シェリング入門』
シェリングの入門書はほとんどない。「人と思想」シリーズでもシェリングは扱っていない。
しかしながら、なぜか「叢書」で入門が出版されている。
全7巻で、内容は以下の通り。
- 1人間と悪:処女作「悪の起源論」を読む
- 2人間と自然:シェリング自然哲学を理解するために
- 3知と無知:ヘーゲル、シェリング、西田
- 4昭和思想史とシェリング:哲学と文学の間
- 5哲学するための哲学入門:シェリング「自由論」を読む
- 6悲劇の哲学:シェリング芸術哲学の光芒
- 7神話の真理:シェリングの神話論
問題は、入門と謳いつつも専門性も高く、要するに入門しては難しいということである。
ただ、シェリング思想の全体を網羅しているので、ある程度、哲学の知識がある人は読んでみてもいいだろう。
発展編
『ドイツ観念論 カント・フィヒテ・シェリング・ヘーゲル』
ドイツ観念論をカント、フィヒテ、シェリング、ヘーゲルの思想を通じて解説した入門書。
それぞれの思想を解説するだけだと単なる解説書であるが、本書は「終末論的陶酔」の歴史観という視点からドイツ観念論を読解していくというのがポイントである。
ゆえに、カントの認識論だけでなく、歴史哲学にも焦点を当てていて、そこが面白い。
ドイツ観念論全体を通して、シェリング思想を知りたいという人におすすめの一冊である。
著作
西川・藤田訳『学問論』(2022年)
1802年にシェリングがイェーナ大学で行った講義に基づき、1803年に出版された一連の講義録。
シェリングの哲学的体系を背景に、学問の統一性、方法論、教育的意義を論じる。
『〈新装版〉シェリング著作集』
文庫ではほとんど出版されておらず、全集もないが、著作集が「新装版」にて刊行されている。
- 第1a巻 自我哲学
- 第1b巻 自然哲学
- 第2巻 超越論的観念論の体系
- 第4a巻 自由の哲学
- 第4b巻 歴史の哲学
- 第5a巻 神話の哲学〈上〉
- 第6a巻 啓示の哲学〈上〉
- 第6b巻 啓示の哲学〈中〉
- 第6c巻 啓示の哲学〈下〉
上記の著作が刊行されている。第3a、第3b、第5b巻も順次刊行予定である。
例えば主著である「人間的自由の本質」は第4a巻に収録されている。




