西田幾多郎を学ぶためにおすすめの本
西田幾多郎の哲学を学ぶといってもいろいろな段階があるので、入門編から発展編まで難易度別に人気おすすめ著作を紹介することにした。
西田哲学を楽しみながら知りたいという人は入門編、西田哲学を深く知りたいという人は発展編の著作から読むべしだ。自分のレベルに合わせて読んでみることをお勧めする。
また、親鸞の入門書は「親鸞・浄土真宗のおすすめ入門書・解説書」、ヘーゲルの入門書は「ヘーゲルのおすすめ入門書・解説書」、道元の入門書は「道元のおすすめ入門書・解説書」、日本の哲学書のおすすめは「日本の哲学書おすすめ名著」で紹介している。ぜひこちらもご覧ください。
超入門編
『小学館版学習まんが 2 西田幾多郎:世界に影響を与えた日本人初の哲学者』
西田幾多郎の伝記マンガ。西田幾多郎の生涯が描かれる。
文字だと難しくて読む気がおきないという人におすすめ。漫画で彼の生涯と思想が分かるすぐれ本。
入門編
櫻井歓『今を生きる思想 西田幾多郎 分断された世界を乗り越える』
「今を生きる思想」の西田幾多郎編。難解で知られている西田幾多郎の思想だが、本書はなんと110ページとちょっと。短くコンパクトに西田の思想と生涯がまとめられており良書と評判。
一気に読めてしまうので、西田の入門書最初の一冊としておすすめである。
若松英輔『西田幾多郎 『善の研究』』(NHK100分de名著)
NHKの「100分 de 名著」の『善の研究』を本にしたもの。元々がテレビ番組なので初心者にでも分かりやすいように解説されている。
原著を読む前に大雑把に理解したい人、あるいは原著を読んで挫折した人におすすめである。
佐伯啓思『西田幾多郎 無私の思想と日本人』
月刊誌「新潮45」の連載を纏めたもの。純粋経験、理性と精神、死と生、論理と生命、根本実在などの概念を噛み砕き、西田思想の核心を「無私の思想」として読み解く。
エッセイ調なので文体が柔らかで読みやすい。ザ解説!という感じではないので軽く読みたい人におすすめ。
藤田正勝『西田幾多郎『善の研究』を読む』
日本哲学史の専門家である藤田正勝氏による『善の研究』入門。
第一章「『善の研究』はどういう書物か」から始まり、第二章からは「実在」「善」「宗教」「純粋経験」とテーマごとに西田の思想を追っていく。入門書でありながら思想を深く掘り下げてくれるので、「100分で名著」シリーズではちょっと物足りないという人にお勧めである。
発展編
小坂国継『西田幾多郎の哲学 物の真実に行く道』
序論で西田哲学を「自覚の哲学としての西田哲学」と規定し、そこから西田のキーターム「純粋経験」「自覚」「絶対矛盾的自己同一」などに沿って突っ込んで解説。西田幾多郎の哲学の全貌を明らかにする。
やや難しめではあるが、西田哲学を詳しく知りたい人にとっては最適である。
永井均『西田幾多郎 言語、貨幣、時計の成立の謎へ』
西田幾多郎の哲学を哲学者永井均が解説した本。西田哲学を解説しながら独自の永井哲学も展開させるので永井好きでないと厳しいかもしれない。哲学として自分も一緒に「言語」や「時計(時)」について考えてみたいという人におすすめ。