和辻哲郎を学ぶためのおすすめの本
和辻哲郎の思想を学ぶといってもいろいろな段階があるので、入門編から発展編まで難易度別に人気おすすめ著作を紹介することにした。
和辻の哲学を楽しみながら知りたいという人は入門編、和辻の哲学を深く知りたいという人は著作から読むべしだ。自分のレベルに合わせて読んでみることをお勧めする。
また、他のおすすめ書物は「親鸞・浄土真宗のおすすめ入門書・解説書」「道元のおすすめ入門書・解説書」、「西田幾多郎のおすすめ入門書・解説書」「ハイデガーのおすすめ入門書・解説書」「日本の哲学書おすすめ名著」「哲学初心者・素人向け人気おすすめ入門書」で紹介している。
ぜひそちらもご覧ください。
入門編
小牧 治『人と思想 53 和辻哲郎』
和辻の生涯と業績を社会的背景や交友関係とともに、平易で生き生きとした文体で描く。
和辻の思想に関しては、その思想遍歴(実存主義から日本文化論、風土論、倫理学へ)を体系的に追っており、特に大著『倫理学』の解説が優れているという評価もある。
和辻の複雑な思想をコンパクトにまとめ、初心者にも分かりやすい点がおすすめポイント。
著者の小牧はこの「人と思想」シリーズで、他に、カントやマルクス、アドルノ、ホルクハイマーを執筆している。
宮川 敬之『再発見 日本の哲学 和辻哲郎――人格から間柄へ』
「再発見 日本の哲学」シリーズの一冊で、和辻哲郎の思想形成を「人格」から「間柄」への展開を中心に解説した解説書。
和辻哲郎の思想が道元、西田幾多郎、ハイデガー、仏教、西洋哲学、時代思潮と交錯しながらどのように形成されたかを丁寧に描き出す。
学術的評価が高く、一般読者にはやや難解だという評価もあるので、発展編でも良さそう。
発展編
三嶋 輝夫『和辻哲郎 建築と風土』
『風土』『古寺巡礼』『イタリア古寺巡礼』『桂離宮』などの著作を通じて、和辻の建築と風土に関する思想を体系的に分析したのが本書である。
題名から分かる通り、和辻の「間柄」の概念を軸に建築と風土の関係性を探求しているのが本書の特徴である。
和辻の『風土』にある程度精通している読者を想定しているので、発展編に入れておいた。
また、建築論や風土論に特化した内容のため、和辻の倫理学や日本精神史研究に関心がある読者にはおすすめしない。
著作
『風土:人間学的考察』
1927年から28年にかけてドイツに留学した和辻は、そこでハイデガーの『存在と時間』に出会い、その存在論や「世界内存在」という考え方に影響を受ける。
人間と環境の相互関係は切っても切り離されないことを知った和辻は、さまざまな気候や文化に触れることで、空間的な観点から人間を分析することとなった。
1935年、本書がその成果として刊行される。そして、風土を「モンスーン型」「砂漠型」「牧場型」という三類型に分類し、日本をはじめ、世界各地域の民族・文化・社会の特質を見事に浮かび上がらせた。
和辻の哲学的な側面を知りたいなら、まずはこの一冊から読み始めよう。




