アーレントのおすすめ入門書・解説書を7冊紹介|ハンナ・アーレントを読もう

アーレントのおすすめ入門書・解説書を7冊紹介|ハンナ・アーレントを読もう

ハンナ・アーレントを学ぶためにおすすめの本

 アーレント哲学を学ぶといってもいろいろな段階があるので、入門編から上級編まで難易度別に人気おすすめ著作を紹介することにした。

 アーレント哲学を楽しみながら知りたいという人は入門編、アーレント哲学を深く知りたいという人は上級編の著作から読むべしだ。自分のレベルに合わせて読んでみることをお勧めする。

 また、プラトンの入門書は「プラトン哲学のおすすめ入門書・解説書」、アリストテレス哲学の入門書は「アリストテレス哲学のおすすめ入門書・解説書」、ハイデガーの入門書は「ハイデガーのおすすめ入門書・解説書」、ベンヤミンの入門書は「ベンヤミンのおすすめ入門書・解説書」、ユダヤ思想の入門書は「ユダヤ教・ユダヤ思想のおすすめ入門書・解説書」で紹介している。ぜひこちらもご覧ください。

超入門編

「ハンナ・アーレント」(映画)

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 本当に本当の入門として映画から入ってみるのはどうだろうか。本映画では、アーレントが元ナチス高官アドルフ・アイヒマンの裁判の傍聴記事を執筆・発表し、大論争を巻き起こす過程を追う。

 アーレントの生き様を映像で鑑賞したい人におすすめ。

入門編

牧野雅彦『今を生きる思想 ハンナ・アレント 全体主義という悪夢』

 ざっとアーレントの思想を知りたい場合はこれ、「今を生きる思想」シリーズのハンナ・アレント編である。入門書の中では一番コンパクトな本となっている。

 副題にもある通り、ハンナ・アレントの全体主義に関する考察を概観し、現代への応用の可能性を試みている。

中山元『アレント入門』

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 数多くの哲学書の翻訳(カント、ルソーなど)を手掛け、フロイトの入門書も書いている中山元氏によるアーレントの入門書。

 この入門書ではアーレントの主要三著作『全体主義の起源』『人間の条件』『イェルサレムのアイヒマン』に焦点を当てる。アーレントの思想をざっと読み解くには最適の著作かと思われる。

矢野久美子『ハンナ・アーレント 「戦争の世紀」を生きた政治哲学者』

 ハンナ・アーレントに関する研究書も出版している矢野氏による入門書。本書は、特にアーレントの生涯を時期別に分けながらその思想を追っていくというスタイルに特徴がある。ハイデガーとの出会いからアメリカへの亡命、そういったところからアーレント思想を知りたい人は本書がおすすめである。入門書にしてはかなり詳しい。

『人と思想 ハンナ・アーレント』

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 おなじみ「人と思想」シリーズのアーレント編。アーレントの生涯(とりわけ前半)を概観したあと著作ごとにその思想を見ていく。扱う著作は『全体主義の起源』や『人間の条件』『イェルサレムのアイヒマン』など。一般的な入門書である。

森分大輔『ハンナ・アーレントーー屹立する思考の全貌』

 アーレントの主要作品を西洋政治思想史の観点から順を追って解説するのところに特徴がある。処女作『アウグスティヌスの愛の概念』から解説が始まるので、アーレント思想を総体として理解することができるおすすめの一冊である。この入門書も入門書にしては結構詳しい。

上級編

仲正 昌樹『今こそアーレントを読み直す」

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 章立てが「悪」や「自由」など、アーレントにとってキータームとなる主題を取り上げて彼女の思想を抽出する構造になっているので非常に分かりやすい。ただアーレントの解説が主なのではなく、アーレント思想を辿りながら現代を見つめ直す試みとなっているので上級編に入れておいた。

『アーレント読本』

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 「読本」シリーズのアーレント編。アーレントにおける基本概念から、現代世界におけるアーレント、さらには著作解題までアーレントマップとして使うにはかなり便利な著作である。アーレントに関してより深く探究しようと思った場合は非常に使い勝手の良い本となっている。

著作(代表作)

 ここからは著作を紹介していきたい。興味のあるものから手に取って読んでみることをお勧めする。

 今回は、文庫化されているもの(あるいは手軽に読めるもの)の中で重要な著作を翻訳の最新のものから紹介していくことにしよう。

人間の条件

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 いくつか邦訳があるがこれが新訳。『人間の条件』は1958年に出版されたアーレントによる政治哲学の著作。「人間の条件」というのは英語版での題名であり、ドイツ語版だと「活動的生」となる。

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