倫理学を学ぶのにおすすめの本
倫理学を学ぶといってもいろいろな段階があるので、入門編から上級編まで難易度別に人気おすすめ著作を紹介することにした。
倫理学を楽しみながら知りたいという人は入門編、倫理学をさらに深く知りたいという人は発展編の著作から読むべしだ。自分のレベルに合わせて読んでみることをお勧めする。
また、ベンサムの入門書は「ベンサムのおすすめ入門書・解説書」、J・S・ミルの入門書は「J・S・ミルのおすすめ入門書・解説書」、カントの入門書は「カントのおすすめ入門書・解説書」、ダーウィンの入門書は「ダーウィンのおすすめ入門書・解説書」、論理学・分析哲学の入門書は「論理学・分析哲学のおすすめ入門書」、現象学の入門書は「現象学のおすすめ入門書・専門書」で紹介している。ぜひこちらもご覧ください。
入門編
品川哲彦『倫理学入門 アリストテレスから生殖技術、AIまで』
倫理学の基礎理論から応用まで網羅した概説書。基礎理論としては徳倫理学、社会契約論、共感理論、義務倫理学、功利主義の5つが取りあげられる。応用ではどのような領域(ひととひとの関係、ひととその体など)でどのように倫理学が取り上げられるかが概説される。
専門性も高く難しいとの評判もあるが、倫理学全体を一望できる概説書としては一級品。
『入門・倫理学』
倫理学の基礎理論、規範倫理学、メタ倫理学、政治哲学を体系的に学べる入門書。教科書のようなもっともスタンダートな概説書となっている。
加藤尚武『現代倫理学入門』
本書は基礎理論の解説ではなく、「人を助けるために嘘をつくことは許されるか」や「他人に迷惑をかけなければ何をしてもよいか」など、現実に即した倫理的問題ごとに学説の解説がなされていく。倫理学は日常の諸問題にどう対応するのかを知りたい人におすすめの一冊である。
発展編
児玉聡『功利主義入門ーーはじめての倫理学』
倫理学の基礎理論の一つである功利主義の入門書。ベンサムから始まる功利主義の考え方を分かりやすく解説している。功利主義自体が根強い人気を誇っているので、この著作を読んでから他の倫理学入門書を読むのもありである。
重田園江『社会契約論』
これまた倫理学の基礎理論の一つである社会契約論の入門書。読みやすい分量で、ホッブス、ヒューム、ルソー、ロールズという思想家の生涯と思想が学べる。現代にまで生き残っている社会契約論を知るのにおすすめの一冊。
佐藤岳詩『メタ倫理学入門:道徳のそもそもを考える』
倫理学そのものを一歩引いて考え直すのがメタ倫理学。正しいことすべきと暗黙の前提のごとく言われるが、そもそも「正しいこと」とは何なのか。倫理学自体には違和感を持っている人におすすめの入門書。
入門書として分かりやすいと評判の一冊なので、倫理学の入門書を読んだ後にこの本を手に取ってみることをおすすめする。
田上 孝一『はじめての動物倫理学』
アメリカの倫理学者ピーター・シンガーから始まる動物倫理学の入門書。動物と人間の間にはいかなる倫理が介在するのかを考えるのが動物倫理学である。動物と人間の関係性(肉食、ペット他)を倫理的に考えてみたい人におすすめの一冊。