ミシェル・フーコーを学ぶのにおすすめの本
フーコーの哲学を学ぶといってもいろいろな段階があるので、入門編から上級編まで難易度別に厳選して人気おすすめ著作を紹介することにした。
フーコーを楽しみながら知りたいという人は入門編、フーコーを深く知りたいという人は上級編の著作から読むべしだ。自分のレベルに合わせて読んでみることをお勧めする。
他に、ニーチェ、ハイデガー、デリダ、レヴィ=ストロース、ドゥルーズのおすすめ入門書・解説本・著作を紹介している。
また、現代思想の入門書は「現代思想のおすすめ入門書・解説書」、世界のおすすめ哲学書は「本格的な人向けおすすめ世界の哲学書」で紹介している。
ぜひそちらもご覧ください。
入門編
箱田徹『今を生きる思想 ミシェル・フーコー 権力の言いなりにならない生き方』
フーコの入門書の中では一番軽く最も読みやすい。
フーコーの思想の概論やその思想が生まれた時代背景、そしてその思想を現代にどのように応用したら良いのかがコンパクトにまとめられている。
フーコー思想に軽く触れたい場合に読みたい一冊。
中山元『フーコー入門』
フロイト入門やカントの翻訳などで知られる中山元のフーコー入門。
最初に当時フーコーがどのような哲学的問題を抱えていたかを明らかにしていき、次の章から『狂気の歴史』や『言葉と物』などフーコーの著作の解説に入る。
主著をしっかり押さえているのでフーコ思想の核心が掴める。
重田園江『ミシェル・フーコー:近代を裏から読む』
フーコーの『監獄の誕生』という著作からフーコー思想への入門へと導こうと試みた著作。
『監獄の誕生』を軸にして、思想の背景やその思想をわかりやすく解説してくれるので、ミステリーを読むような面白さがあると評判である。
単なる入門だけでなく面白さを兼ね備えたおすすめの一冊。
桜井哲夫『知の教科書 フーコー』
フーコーの生涯と思想から、フーコー思想のキータームの説明、著作解題など、フーコー思想を様々な角度から描写することを試みた入門書。
概説書に近い形式で書かれているので、フーコ思想の大枠を理解しやすい。
すらすら読めるセンスの良い入門書である。
今村 仁司/栗原 仁『人と思想 フーコー』
人と思想シリーズのフーコー編。第一部でフーコーの生涯を、第二部でフーコーの思想を解説する。
フーコーの思想はその生涯と切り離せないものなので、その生涯からフーコーを紐解きたい人におすすめの一冊となっている。
上級編
慎改康之『ミシェル・フーコー:自己から抜け出すための哲学』
『狂気の歴史』からフーコー思想誕生を読み取り、『臨床医学の誕生』『言葉と物』『知の考古学』『性の歴史』へと一冊ごとに読解を進めていく。
入門書としては難解と言われているので上級編にした。詳しくフーコー思想を知りたい人におすすめ。
仲正昌樹『フーコー〈性の歴史〉入門講義』
フーコーの「性の歴史」全4巻の大作を、アーレントやハイデガーの入門書などで有名な仲正昌樹氏が丹念に解説した一冊。
原著がとにかく長く難解なので、講義形式で書かれた本書で理解していく手もありである。「性の歴史」そのものを知りたい人におすすめである。
著作
『狂気の歴史<新装版>:古典主義時代における』田村俶訳
1961年の著作。精神疾患や「狂気」の概念が西洋社会でどのように構築され、扱われてきたかを考察した作品である。
関連記事:フーコー=デリダ論争とは何か|意味をわかりやすく解説
『監獄の誕生<新装版> : 監視と処罰』田村俶訳
1970年にコレージュ・ド・フランスの教授となったフーコーは「規律訓練型権力」を研究し、その成果を1975年『監獄の誕生』として出版する。
管理社会における権力とは何か、その本質とは何かを歴史的に遡って論じた一冊である。









