カズオ・イシグロの最新おすすめ有名小説8選

カズオ・イシグロの最新おすすめ有名小説8選

ノーベル賞作家カズオ・イシグロのかんたんな経歴

 カズオ・イシグロは1954年生まれのイギリスの小説家です。両親は日本人で生まれは長崎ですが、小学生の時に父の都合でイギリスへ移住し、それ以降はイギリスで生活をしています。そのため日本の記憶は薄く、また日本語は喋れないようです。

 1980年に進学した大学院では創作学科で学び、そこで小説を書き始めます。1981年には短編「不思議に、ときには悲しく」でデビュー。1982年には初の長編『遠い山なみの光』で王立文学協会賞を受賞します。

 そして1989年、カズオ・イシグロの代表作となる『日の名残り』を発表します。これが英語圏で最も栄誉のある賞・ブッカー賞を受賞し、35歳の若さでイギリスを代表する作家になります。

 その後も2005年に『わたしを離さないで』、2015年に『忘れられた巨人』と名作を発表し続けます。そして2017年にノーベル文学賞を受賞し、世界的な作家としての評価を盤石なものにしました。

 このような輝かしい経歴をもつカズオ・イシグロは、実は作品自体はそう多くはありません。短編を除けばたったの8作品しかないのです。したがって全作読むのは、それほど難しいことではありません。

 とはいえ、何から読めばいいかわからないという方も多いと思います。本記事ではカズオ・イシグロの『遠い山なみの光』から最新の長編『クララとお日さま』までの全作品をお勧め順に紹介します。

 ぜひノーベル文学賞作家の作品を堪能し、イシグロの世界に浸ってみてください。

カズオ・イシグロのおすすめ小説ランキング

1位 『日の名残り』The Remains of the Day(1990年)

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 カズオ・イシグロの長編三作目にして代表作です。前作から4年あけて刊行された本作でイシグロは、英語圏で最も栄誉のブッカー賞を受賞します。1993年にはジェームズ・アイヴォリー監督によって映画化されました。

 語り手でありファラディ氏に仕える執事スティーブンスは、第二次世界大戦前には主人ダーリントンに仕えていました。ファラディ氏のもとで働く人を探していたスティーブンスは、同僚であったミス・ケントンに会いにイギリス西岸に向けて一週間の旅に出ます。

 1956年の現在と1920年から1930年代の回想を往復して物語は進みます。スィーブンスの執事としての誇り、ミス・ケントンへの淡い恋が、色鮮やかに回想されていきます。

 スティーブンスの回想には幾つかの無意識な嘘が混じっていて「信用できない語り手」と呼ばれます。またラストの夕暮れ時の会話に心動かされることは間違いありません。

>>関連記事はこちら:カズオ・イシグロ『日の名残り』考察|信用できない語り手はそれでも語る

2位 『わたしを離さないで』Never Let Me Go(2005年)

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 『日の名残り』と一位二位を争う人気を誇る傑作です。『わたしたちが孤児だったころ』に続き、この年のブッカー賞最終候補に残りました。2010年にはマーク・ロマネク監督により映画化されています。

 全寮制の学校ヘールシャムで育った少年・少女たちの物語です。イギリスで提供者の介護をするキャシーが、ヘールシャムでの過去の出来事を回想しながら、隠された秘密を暴いていきます。

 クローンや臓器提供などのSF的ディストピアを描いています。世界に対する懐疑と隠された真実を巧みに表現しています。

 世界各国で評価された傑作で、日本でも大変人気の高い小説です。

3位 『わたしたちが孤児だったころ』When We Were Orphans(2000年)

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 『充たされざる者』(1995年)と『わたしを離さないで』(2005年)のちょうど真ん中で書かれました。『日の名残り』に続き、この年のブッカー賞最終候補に選ばれました。

 1990年代初めに上海で暮らすクリストファー・バンクス。ある日、両親が失踪し10歳で孤児になります。ロンドンで学び成長したクリストファーは、探偵となって再び上海の地を訪れます。

 記憶と過去、そして推理小説の要素を加えたスリリングな至高の物語です。イシグロ自身、アガサ・クリスティの模倣と語っているようです。

4位 『クララとお日さま』Klara And The Sun(2021年)

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 『クララとお日さま』はノーベル文学賞受賞後の待望の最新作です。

 子供の玩具として作られた人工フレンドのクララ。外の世界に興味津々のクララは、あるとき少女ジョジーと出会い友情を育んでいきます。

 SFやファンタジーなど様々なジャンルを描いてきたイシグロ。そんな彼が最新作でテーマにするのは御伽噺です。愛、家族、生きることの意味を問う感動作です。

5位 『遠い山なみの光』A Pale View of Hills(1982年)

 カズオ・イシグロの記念すべき長編第一作です。この年の王立文学賞を受賞しました。

 長崎出身で英国の片田舎で暮らす悦子。彼女は二人の夫の間に子どもを作ります。最初の娘である景子は、イギリスで大きくなるにつれて孤独感がまして最後は自殺します。悦子は喪失に悲しみながら、戦後間もない長崎を回想し、そこで出会ったある母娘を思い出します。

 イシグロのデビュー作で、当初から過去や記憶が主題にあることがわかります。イシグロを知るための大事な一作になります。

6位 『充たされざる者』The Unconsoled(1995年)

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早川書房
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 1989年に『日の名残り』でブッカー賞を受賞したイシグロの六年ぶりの作品です。

 舞台はヨーロッパ。主人公は世界的なピアニストのライダーで、「木曜の夕べ」という会で演奏をする予定があるのですが、日程も演目も知らされていません。市民のライダーへの期待が高まるも、理由もわからず市民からの妨害にあいます。

 自分の知らないところで何かがある、というのを描いた問題作です。

7位 『浮世の画家』(1986年)

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 カズオ・イシグロの長編二作目です。ウィットブレッド賞を受賞しました。2019年には渡辺謙が主演でドラマ化されました。

 舞台は第二次世界大戦後の日本。戦時中、日本精神を鼓舞する絵画を描き名声を博した画家が、戦後の価値観の転換のなかで苦悩する姿を描きます。

 最初の作品『遠い山なみの光』と同様、日本が関わった作品です。しかし彼は日本を取材して描いたのではなく、頭にある想像の日本を描いたと語っています。

8位 『忘れられた巨人』(2015年)

 2005年に刊行された『わたしを離さないで』から10年ぶり、待望のファンタジー長編小説です。

 アクセルとベアトリスの老夫婦が、息子を訪ね旅に出ます。そこで出会う若い戦士、老騎士、鬼に襲われた少年。旅の先で老夫婦を待つものとは……。

 4部、17章構成で、それぞれの繋がりがわかりづらく、幻想的な雰囲気を醸し出しています。失われた記憶や愛がテーマに描かれます。

ほかの小説や批評にも挑戦してみよう

 本記事ではノーベル賞作家のカズオ・イシグロの長編全作品を紹介しました。

 有名で知っている本から、読んだことのない本まであったと思います。どれか一つでも気に入る作品を見つけていただければ嬉しいです。

 ほかに世界文学やフランス文学、日本近代文学についても紹介しているので、興味があるかたはこちらもどうぞ。

>>イギリス文学:イギリス文学の古典から現代までおすすめ人気ランキング!

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