概要
『ジョン・ウィック:パラベラム』は、2019年に公開されたアメリカのアクション映画。監督はチャド・スタエルスキ。前作は『ジョン・ウィック:チャプター2』。出演はキアヌ・リーブス、ハル・ベリー、ローレンス・フィッシュバーン。
日本版のキャッチコピーは「世界はお前を許さない」。
掟を破ったために世界中の殺し屋に襲われることになったジョンが、敵を撃退しながら生き延びるために奮闘する物語。
アクションはほかに『アイアンマン』『オール・ユー・ニード・イズ・キル』『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』『首』『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』がある。
登場人物・キャスト
ジョン・ウィック(キアヌ・リーブス):伝説の殺し屋。掟を破ったために、世界中の殺し屋から狙われている。
(他の出演作:『コンスタンティン』『マトリックス レザレクションズ』)
ウィンストン・スコット(イアン・マクシェーン):ニューヨークにあるコンチネンタル・ホテルの支配人。前作でジョンに一時間の猶予を与えたため、裁定人で一週間で退任を迫られる。
裁定人(エイジア・ケイト・ディロン):主席連合のメンバー。裁定人。
ゼロ(マーク・ダカスコス):暗殺者。裁定者に雇われジョンを狙う。実はジョンのファン。
ディレクター(アンジェリカ・ヒューストン):ジョンの育ての親。犯罪組織ルスカ・ロマの首領。
首長(サイード・タグマウイ):主席連合の首長。モロッコを拠点しながら、砂漠で生活している。
ベラーダ(ジェローム・フリン):血の誓印の鋳造所管理人。ソフィアの元ボス。ソフィアの愛犬を射殺する。
管理人(ロビン・ロード・テイラー):主席連合の管理部の責任者。
ソフィア(ハル・ベリー):モロッコのコンチネンタル・ホテル・モロッコの支配人。かつてジョンと血の誓印を結び、娘を逃してもらった過去がある。
(他の出演作:『クラウド アトラス』『ムーンフォール』)
シャロン(ランス・レディック):コンチネンタル・ホテルのコンシェルジュ。
バワリー・キング(ローレンス・フィッシュバーン):地下犯罪情報組織の王。前作でジョンを助けたことを理由に、退任を迫られ裁定人に切られる。
(他の出演作:『運び屋』『ボビー・フィッシャーを探して』)
チクタク男(ジェイソン・マンツォーカス):キングの手下。
アーネスト(ボバン・マリヤノヴィッチ):ジョンの知り合いの殺し屋。図書館でジョンを襲い返り討ちにあう。
名言
ゼロ:俺は同じ殺しの達人
あらすじ・ネタバレ・内容
コンチネンタル・ホテル内で掟を破り、主席連合のサンティーのを殺害したジョン・ウィックは、主席連合によって1400万ドルの懸賞金がかけられる。コンチネンタル支配人ウィンストンは、友人であるジョンのために危険を冒して一時間の猶予を与える。
ジョンは公共図書館に隠しておいた誓印のメダルとメダルを取りに向かうが、追放処分発表前にも関わらず暗殺者アーネストに襲われる。負傷したジョンは医者ドクを頼るも、途中で追放処分の時間を迎えてしまう。ニューヨーク中の暗殺者に襲われ次々と返り討ちにしながら、かつて幼少期に所属していた犯罪組織ルスカ・ロマに辿り着く。ルスカ・ロマのボスであるディレクターに十字架を見せ協力を得ることで、モロッコのカサブランカへと無事に到着する。
その頃、ジョンの追放を巡って主席連合から裁定人が派遣される。裁定人はウィンストンとキングがジョンを手助けしたことを問題視し、一週間ののちに今の座から退任することを迫る。また日本にいる暗殺者ゼロを雇いルスカ・ロマの拠点を襲撃し、ディレクターに主席連合への忠誠を誓わせる。裁定人は要求を飲まないキングのアジトを襲撃し、ジョンに与えた銃弾7発に準えてゼロにキングを7回斬らせる。
ジョンはコンチネンタル・モロッコの支配人ソフィアに会う。誓印の貸しを利用してソフィアのかつてのボス・ベラーダに接触する。ジョンが主席連合の上に立つ首長との接触方法を聞くと、ベラーダは砂漠を当て所なく歩くとあちらが見つけてくれる、と告げる。
ベラーダはソフィアに忠誠の証として愛犬を渡すよう要求するが、拒んだため犬が銃殺される。怒ったソフィアはジョンと共にベラーダを襲い、危機から脱出する。ジョンはベラーダの助言通り砂漠を歩き倒れるも、首長の部下に発見される。ジョンは首長に妻との思い出を守るために生きると伝えると、ウィンストンを殺害し主席連合への忠誠を証明すれば暗殺命令を取り下げると告げる。ジョンは左手の薬指を切り結婚指輪を首長に渡すことで忠誠を証明し、ニューヨークへ向かう。
再びニューヨーク中の暗殺者に襲撃されるが、どうにかコンチネンタル・ホテルに辿り着く。掟のためホテル内で戦えないゼロは、ジョンにファンであることを告げる。ウィンストンはコンチネンタルを退任しないと告げ、主席連合に歯向かうことを決意する。現れた裁定人は、ウィンストンとジョンの意思を確認すると、ホテルの聖域指定を解除し不殺の掟を無効にし、殺し屋を派遣させる。
ジョンと受付人シャロンは、ホテルの協力を受けて相手を撃退していく。そしてゼロとその弟子との戦闘になり、激闘の末ジョンが勝利する。襲撃者が全滅してしまったため、裁定人はウィンストンと会談する。ウィンストンはこれまでの権力を保持できるよう要求し、現れたジョンに発砲し屋上から落とすことで、主席連合への忠誠を示し裁定人に認められる。
裁定人が地上に降りると、ジョンの死体が無くなっていた。ジョンは生きていて、キングの側近に助けられていた。ジョンと再会したキングは、主席連合への反抗への意思を問い、ジョンは意思があると告げる。
解説
またしてもやってくれた!
シリーズ第一作でジョン・ウィックは、妻が残してくれた犬を殺害された為に犯人が所属する組織を壊滅にまで追い込む殺し屋という、異常な粘着性と一片の慈悲もない狂気のイメージを鮮烈に印象付けた。そのイメージは、ほぼ全時間ジョン・ウィックの戦闘に費やされるというあまりの単純さに反して、観客に好印象を与え多くのアクションファンを魅了した。
しかし、キャラクターのイメージが強烈であるということは、シリーズ作品にとって良いことばかりではない。そのキャラクターの印象に作品自体が飲まれてしまい、二作目以降も似たような雰囲気になってしまいがちだからである。だが、二作目の『ジョン・ウィック:チャプター2』は良い意味で期待を裏切ってくれた。磨き上げられたガンフーアクション(ガン+カンフー)は臨場感を際立たせ、主席連合という殺し屋界の階層構造は物語に奥行きを与えることに成功した。シリーズは二作目にして、復活した狂気の殺し屋の物語ではなく、殺し屋界の絶対秩序に抗う洗練された狂気と不屈の魂をもったジョンの物語へと昇華したのである。
シリーズ作品の評価軸には、前作を超える面白さがあるかという厳しい項目がある。その困難な仕事を成し遂げたのが『ジョン・ウィック:チャプター2』であったとすれば、本作に対しては、またしてもやってくれた!と言わずにはいられない。そこで観ることができるのは、一作目と二作目に勝るとも劣らない、圧倒的に濃密で過激なアクションである。
キャッチコピーは「世界はお前を許さない」
一作目の日本語版のキャッチコピーは「見惚れるほどの、復讐。」であった。一作目ではジョンはあくまで目的の復讐を華麗に成し遂げる人物である。二作目の日本語版のキャッチコピーは「伝説の殺し屋VS世界中の殺し屋」となる。ここでは戦う相手は復讐の対象ではなく、世界中の殺し屋へと広がる。
そして本作の日本語版のキャッチコピーは「世界はお前を許さない」である。ジョンはここでついに追う側から追われる側に、復讐する側から復讐される側へと位置をずらされることになる。彼は三作目にして、一作目の殺しの対象と同様のポジションにいる。
だがそれでもジョンは困らない。何故ならジョンは最強だからだ。ジョンはどの立ち位置(追う側or追われる側)にいようと、絶望することも怖気付くこともなく、淡々と、それでいて徹底的に敵を倒す。彼は慈悲を与えられることはあっても、与えることはない。この異常なまでの冷徹さと執拗さが、ジョンの最強たる所以である。
考察・感想
意味の分からなさで笑えるシーンがある
ガンフーアクションは迫力を増し、世界観は奥行きを広げていくが、それに比して、内容はより単純に、そしてより笑えるものになっている。
笑えるところから指摘しておこう。一つには、ジョンと相手の決め台詞のシーンで、相手の言語で喋り字幕が入る場面がある。この演出の意味はイマイチよくわかっていないのだが、中二病っぽくてかなり笑える。このような意味のわからないシーンが随所に盛り込まれ、そのわからなさに笑ってしまう。また、首長に会うために砂漠を歩くのも最初は冗談なのかと思っていたが、本当にそれで会えてしまった。他にも日本を拠点にする殺し屋ゼロが裁定人に出会う場面で、フグの刺身を差し出して毒があると告げるのも、どういう意味なのかはわからない。
さらにいうと、ゼロは日本を拠点に活動している殺し屋で寿司職人でもあるのに、ジョン・ウィックに「俺は同じ殺しの達人」と日本語で告げる場面で何故か片言である。ゼロを演じているのはマーク・ダカスコス。彼は日本人とアイルランド系アメリカ人の混血で、「発音・イントネーションともに完璧で、日本人と変わらないほど流暢に操る」(引用:wikipedia)にもかかわらずである。演出なのか、なんなのか。この意味の分からなさが「ジョン・ウィック」という感じもする。
犬との共闘で新たなアクションへ
内容に関して言えば、ジョン・ウィックが世界中の殺し屋から狙われる、ただこれだけである。もちろんこの間に、モロッコに向かったり砂漠を歩いたりと様々な出来事があるのだが、それは世界中の殺し屋を束ねる主席連合の、さらに上の地位にいる首席にジョンが面会しようとしているだけと言える。そして首長にウィンストン殺害を命じられたジョンは、今度はウィンストンと協力して主席連合と戦い、最終的にはウィンストンに裏切られる。そしてその間を埋めるのが、すべてがラスボス戦並のアクションというわけだ。
ガンフーアクションに新たに付け加わったのが、犬との共闘である。ジョンの世界において、犬は相棒であり人間以上に尊い。シリーズを通して犬は三匹登場する。一匹目は亡き妻が与えてくれた犬No.1(名前なし)で、殺されることでジョンを復讐に駆り立てた。二匹目は一作目のラストで檻から出してあげた犬No.2で、本作ではこの犬と共にニューヨーク中を逃げ回る。そして三匹目がソフィアの愛犬である。
ソフィアの愛犬は、ジョンの相棒とは異なり、共に戦う戦闘犬である。愛犬はソフィアの指示に忠実で、ときに窮地を救ってくれる。敵の急所を正確に攻撃し、銃弾を掻い潜って敵を翻弄する。この犬と共に戦うシーンは、その迫力と斬新さで、アクション界に新たな道を指し示した。そこには相棒のように戦い、そして、人間の犠牲にもならず、悠々と戦果をあげる戦士の顔がある。もはやアクションは人間だけの占有物ではない。人間と対等に戦闘を繰り広げる動物たちの演技がいつか認められ、賞をとる日を切に待ち望んでいる。
関連作品
評価(批評・評論・レビュー)
まさかこんな風呂敷が広がってしまうなんて……。恐らく作り手たちも内心ではビックリしたのではないか。『ジョン・ウィック:パラベラム』(2019年)はそんな滅茶苦茶に広がった同シリーズの風呂敷を畳むことに挑んだ1本だ。 …… 全文
ーー realsound.jp(加藤よしき)
加筆中(おもしろい評論、または、載せてほしい論考などがありましたら、コメント欄にてお伝えください)
動画配信状況
『ジョン・ウィック:パラベラム』配信状況比較
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