『ジャスティス・リーグ』考察|禁忌を犯した作品|あらすじネタバレ感想・伝えたいこと解説|ザック・スナイダー

『ジャスティス・リーグ』考察|禁忌を犯した作品|あらすじネタバレ感想・伝えたいこと解説|ザック・スナイダー

概要

 『ジャスティス・リーグ』は、2017年に公開されたアメリカのスーパーヒーロー映画。監督はザック・スナイダー。

 「DCエクステンデッド・ユニバース」の5作目。このシリーズは9作目に『ワンダーウーマン 1984』がある。

 ドゥームズデイとの戦いから数ヶ月後、地球に存在するマザーボックスを求めて侵略するステッペンウルフに対抗するため、スーパーヒーローがチームを結成して戦いに向かう物語。

 ヒーロー映画はほかに『ダークナイト』『ジョーカー』『ヴェノム』『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』などがある。

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登場じんぶつ・キャスト

ステッペンウルフ(キアラン・ハインズ):マザーボックスを求め地球を侵略する。過去にも侵略しにきたが、アマゾン族、アトランティス、人間の連合軍に敗れた。

ブルース・ウェイン(ベン・アフレック):バットマン。ウェイン・エンタープライズの社長。ステッペンウルフと戦うため、超人的な能力を持つヒーローを集めてチームを作る。
(他の出演作:『アルゴ』、デヴィッド・フィンチャー監督ゴーン・ガール』)

ダイアナ・プリンス(ガル・ガドット):ワンダーウーマン。アマゾン族の王女。ブルースの誘いに乗り、共に戦うことを選ぶ。
(他の出演作:『ワンダーウーマン 1984』)

バリー・アレン(エズラ・ミラー):フラッシュ。大学生。超高速で動くことができる。友達がいない。
(他の出演作:『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』)

アーサー・カリー(ジェイソン・モモア):アクアマン。海底王国アトランティスで生まれた。海の生物と会話することができる。

ビクター・ストーン(レイ・フィッシャー):サイボーグ。元フットボール選手。事故で負った傷を父が治しているうちに、身体が機械化してしまった。

クラーク・ケント(ヘンリー・カヴィル):スーパーマン。前作で死亡したが、マザーボックスの力を借りて復活する。

アルフレッド・ペニーワース(ジェレミー・アイアンズ):ブルースに仕える執事。多様なサポートを行う。

マーサ・ケント(ダイアン・レイン):クラーク・ケントの育ての親。

ヒッポリタ女王(コニー・ニールセン):ダイアナの母。セミッシラを治める女王。

ジェームズ・ゴードン(J・K・シモンズ):ゴッサム・シティ警察の本部長。バットマンの正体を知っている数少ないうちの一人。
(他の出演作:『ラ・ラ・ランド』『セッション』『マイレージ、マイライフ』『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』)

ロイス・レイン(エイミー・アダムス):新聞記者。クラーク・ケントの恋人。
(他の出演作:『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』『メッセージ』)

サイラス・ストーン(ジョー・モートン):S.T.A.R.ラボの科学者。ビクター・ストーンの父。

メラ(アンバー・ハード):海の底でマザーボックスを守護している。

ヘンリー・アレン(ビリー・クラダップ):バリー・アレンの父。現在は妻殺しの罪で収監されている。

レックス・ルーサーJr.(ジェシー・アイゼンバーグ):レックス・コープの社長。

スレイド・ウィルソン(ジョー・マンガニエロ):デスストローク。暗殺者。

あらすじ・ネタバレ・内容

 前作『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』におけるドゥームス・デイとの戦いから8ヶ月。スーパーマンなき世界で残されたヒーローは悪と対峙していた。

 ブルース・ウェインはスーパーマンの死に責任を感じながら、自らを犠牲にした彼の行動に、自分の信念が揺らぐのを感じていた。

 ステッペンウルフとその手下パラデーモンは、地球に存在するマザーボックスを手に入れるため、侵略を開始する。過去にも、マザーボックスを手に入れるためステッペンウルフは侵略したが、アトランティス、アマゾン、人間の連合軍に敗れたのだった。その後、マザーボックスはそれぞれの種族が管理することになる。

 ステッペンウルフはまずアマゾン族を襲い、彼女たちが保持するマザーボックスを奪う。また人間が持つマザーボックスを探すためパラデーモンが、人間たちを襲おうとしてた。このような危機的な事態を受け、ブルース・ウェインはスーパーヒーローからなるチームを結成する。

 仲間集めは難航したものの、最終的にはバットマン、ワンダーウーマン、フラッシュ、アクアマン、サイボーグからなるチームができる。チームはステッペンウルフと対峙するが、敵の強さに圧倒され、このままでは勝てないと判断する。

 そこで人間が持つマザーボックスの力を借りて、死んでしまったスーパーマンを復活させる。蘇ったスーパーマンは突然のことで混乱し、バットマンたちを攻撃するが、恋人のロイス・レインが現れ、二人で自宅へと向かう。

 チームはスーパーマン抜きでステッペンウルフと対決する。融合したマザーボックスをサイボーグが分離するために、各々が全力を尽くすがあと一歩のところで力が及ばない。そのときスーパーマンが現れステッペンウルフを吹っ飛ばし、その間にサイボーグがマザーボックスを三つに分離させる。

 スーパーヒーローたちに囲まれたステッペンウルフは、初めて恐怖を感じ、その匂いを嗅ぎつけたパラデーモンに襲われ母船へと逃げ帰る。ステッペンウルフを撃退したスーパーヒーローは、世界に平穏をもたらしたのだった。

解説

DCエクステンデッド・ユニバースの五作目

 「DCエクステンデッド・ユニバース」は、『マン・オブ・スティール』(2013年)から始まるDCコミックス原作の映画群で、最終作『ブラックアダム』(2022年)を含めて全12作品からなる。その後は紆余曲折を経て、2023年から「DCユニバース」として再出発することになった。

 「DCエクステンデッド・ユニバース」は始まりから前途多難であり、最初の三作はスーパマン同士が戦う二作目『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』を含め、否定的な評価を受けていた。だが、その次に制作された『ワンダーウーマン』(2017年)は、世界各国で高い評価を受けたのみならず、女性監督作品および女性が主役のアクション映画としての累計興行収入が一位に輝き、「DCエクステンデッド・ユニバース」に希望の光をみせた。「DCエクステンデッド・ユニバース」は四作目にして、ようやく成功への道を歩み始めたのである。

 『ワンダーウーマン』の成功は、作品の繋がりを重視するこれまでの方針を一新し、作品ごとの質を重視するようになる。そのような状況で制作されたのが、「DCエクステンデッド・ユニバース」の5作目の本作『ジャスティス・リーグ』である。

 ところが本作は残念なことに、過去最低の興行収入を記録してしまった。それにより制作会社のDCフィルムズは再編を迫られ、当初予定していた「ジャスティス・リーグ」シリーズ五作品は、三作品目の本作を最後に制作を断念させられる。

 そんな曰く付きの作品ではあるが、アクション映像はかなり出来がいい、と思う。特に、超高速で移動できるスパーヒーロー・フラッシュの動きが、『アメイジング・スパイダーマン2』に登場する敵役、エレクトロを彷彿とさせて素晴らしい。激しい戦闘の最中に、フラッシュを除いた全ての動きがスローになる場面は、ファストとスローを使い分け、スロモーションが戦いの臨場感をうまく引き立てているように感じた。

考察・感想

スーパーマン亡き後、ヒーローたちはチームを作る。

 舞台は、前作『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』から8ヶ月後。ドゥームス・デイとの戦いでスーパーマンを失ったスーパーヒーローたちは、自らの選択と信念に疑問を抱き始めていた。最強のヒーローであり、平和の象徴でもあるスーパーマンを失ったことで、世界だけでなく他のヒーローたちも言い知れぬ不安を覚えているのである。

 そんな中、MCUでアイアンマンが倒した宿敵サノスに似た造形のステッペンウルフが、宇宙から地球に侵略を開始する。ステッペンウルフの手下のパラデーモンが人間を襲うことで、事態の異様さに気づいたバッドマンは、敵に立ち向かうためスーパーヒーローの団結を求めチームを結成する。一人で戦うことを信念としてきたバッドマンが、自己犠牲をしてまで世界を救おうとしたスーパーマンの最後の姿に感化され、仲間と協力して戦うことを目指すのである。

 集まったスーパーヒーローは、バットマン、ワンダーウーマン、フラッシュ、アクアマン、サイボーグの5人。それぞれ闇、光、電気、水、機械という属性を持っており(筆者の妄想)、バランスが取れた人選と言える。この5人のうちワンダーウーマンとアクアマンは、ステッペンウルフに対して因縁がある。ステッペンウルフは5千年ほど前にも、マザーボックスを求め地球を侵略していた。そのときステッペンウルフを撃退するために協力したのが、アトランティス、アマゾン、人間たちであり、マザーボックスは悪用されないようそれぞれの種族が一つを保管するようになった。そしてその種族の末裔がワンダーウーマンとアクアマンなのである。

えっ、生き返っていいの!?本当にそれでいいの?

 このチームは属性という観点からすればバランスが取れている。だが、強さという指標で言えば、明らかにバットマンだけ劣っている。そもそもバットマンは一人だけ普通の人間であり、フラッシュに能力を聞かれたときには正直に「お金だ」と答える始末だ。彼はその弱さのために自暴自棄になったりするが、裏のリーダーであるワンダーウーマンによって助けられることで、チームとして成立している。

 強さという点においては、バットマンだけでなく、アクアマンもかなり怪しい。アクアマンがアトランティスの王族の血を引いていることからも分かるように、彼の本領が発揮されるのは海の中である。しかし戦闘は基本的に陸地で起こる。パッとするような見せ場も貰えず、頼もしい強めの厳ついおっちゃんといった感じである。

 その点、サイボーグにはマザーボックスを分解するという大きな役割があった。彼もおそらくあまり強くないのだが、見せ場をもらえたおかげで存在価値が発生した。

 常人離れした圧倒的な強さを見せるのは、ワンダーウーマンとフラッシュである。しかしその強さを持ってしも、ステッペンウルフの強さには遠く及ばない。チームの敗北はもはや必然であり、地球の滅亡も免れそうにない。

 そこで呼び出されるのがスーパーマンだ。バットマンは悩んだ挙句、墓地を掘り返しマザーボックスを利用して、スーパーマンを生き返らせる。この驚きの展開に、世界は驚愕したに違いない。これまでの価値観からすれば、命の重さは人間が勝手に決めて良いものではなかった。宇宙人の侵略でアマゾンの住人も人間も、数知れぬ人が殺された。その痛みは、亡くなった者の強さに比例することはない。スーパーマンを生き返らせて、他の者を殺したままにする正当性はこの世のどこにも存在しないのである。

 この掟破りの行為によって、世界に平和がもたらされた。実際、スーパーマンがいなかったら、ヒーローたちはステッペンウルフにやられていたかもしれない。スーパーマンは危機的状況で皆んなの前に姿を現し、ステッペンウルフを圧倒した。おそらくスーパーマンがいたら、そもそも団結してステッペンウルフに挑む必要はなかった。ヒーローの復活。この異常な解決策に私の口が塞がらない。スーパーマン亡き世界でどのように生きていくのかを、バットマンは悩み続けていたのではなかったか。何故、禁忌を冒してしまったのか。あるいは、禁忌を冒してまで得たかったものは何か。スーパーマンの無敵の強さの前に、ステッペンウルフも観客も、ただただ呆然とするのであった。

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