『トップガン マーヴェリック』考察|オレたちはまだやれる|あらすじネタバレ感想・伝えたいこと解説|ジョセフ・コシンスキー

『トップガン マーヴェリック』考察|オレたちはまだやれる|あらすじネタバレ感想・伝えたいこと解説|ジョセフ・コシンスキー

概要

 『トップガン マーヴェリック』は、2022年に公開されたアメリカのアクションドラマ映画。監督はジョセフ・コシンスキー。前作『トップガン』(1986年)から36年振りの続編となる。

 第95回アカデミー賞で6部門にノミネートした。

 トップガンの教官に任命されたマーヴェリックが先頭で出撃し作戦を遂行する物語。

 アクション映画はほかに『レオン』『アイアンマン』『ダークナイト』がある。

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登場人物・キャスト

ピート・“マーヴェリック”・ミッチェル(トム・クルーズ):海軍大佐。伝説的な実績を持つパイロット。現場主義で昇進を拒み続けている。アイスマンの推薦でトップガンの教官になる。
(他の出演作:『宇宙戦争』『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』『オール・ユー・ニード・イズ・キル』『マイノリティ・リポート』『アイズ ワイドシャット』『マグノリア』)

ブラッドリー・“ルースター”・ブラッドショー(マイルズ・テラー):海軍大尉。マーヴェリックの亡き親友グースの息子。マーヴェリックはルースターの母の願いで、彼の海軍兵学校への志願書を破棄し、パイロットになれないようにしていた。
(他の出演作:『セッション』)

ジェイク・“ハングマン”・セレシン(グレン・パウエル):海軍大尉。優秀なパイロット。生意気な一面があり、仲間を見捨てることもあるが、優れた飛行技術を有している。

ペニー・ベンジャミン(ジェニファー・コネリー):マーヴェリックの元恋人。

ナターシャ・“フェニックス”・トレース(モニカ・バルバロ):海軍大尉。選抜された中で唯一女性のパイロット。

ロバート・“ボブ”・フロイド(ルイス・プルマン):海軍大尉。パイロット。気が弱い。

トム・“アイスマン”・カザンスキー(ヴァル・キルマー):海軍大将。マーヴェリックの親友。マーヴェリックをトップガンの教官に推薦する。

ボー・“サイクロン”・シンプソン(ジョン・ハム):海軍中将。司令官。
(他の出演作:『ミニオンズ』)

チェスター・“ハンマー”・ケイン(エド・ハリス):海軍少将。極超音速テスト機の開発中止を言い渡しに来る。
(他の出演作:『トゥルーマン・ショー』『アポロ13』『スノーピアサー』『崖っぷちの男』)

名言

マーヴェリック:考えるな、行動しろ

あらすじ・ネタバレ・内容

 マーヴェリック海軍大佐は、空中戦で敵機を3機も破壊するという唯一の記録を持っていたが、現場主義を貫き昇進を拒んでいた。彼はトラブルを起こし左遷され、開発中の極超音速テスト機「ダークスター」のテストパイロットに任命されていた。

 新型機は最高速度マッハ10を出せていないため、開発中止の命令が下る。マーヴェリックはハンマー海軍少将が計画の中止を言い渡しにくる前に、独断でテスト機に乗り込みマッハ10を記録する。その勢いで速度を上げるが、途中でテスト機が爆発・分解してしまう。帰還したマーヴェリックは、過去の戦友アイスマンの強い要望で、トップガンの教官に任じられる。

 ある組織がウラン濃縮プラントを建設し稼働させようとしているため、それを破壊すべくトップガン卒業生の中から優秀な生徒を集め、作戦のために育て上げるようにマーヴェリックは命じられる。選りすぐりの卒業生の中に、かつて事故で亡くなった親友グースの息子、ルースター海軍大尉がいて、マーヴェリックは困惑する。マーヴェリックはかつてルースターの母に頼まれ、彼がパイロットになれないよう海軍兵学校への志願書を破棄していた。ルースターはそのことと父の死とマーヴェリックの関係を知って以来、彼を強く恨んでいた。

 敵地は防空網が整備され電波妨害も完備されているため、GPSを用いないレーザー誘導爆弾を使用することに決める。マーヴェリックは若者たちを訓練するが目標のレベルまで上達せず、また、ルースターとの関係も悪化するばかりだった。そんな中、ハングマン海軍大尉がルースターを揶揄ったことで、喧嘩が勃発する。

 教え方や過去の出来事に悩むマーヴェリックに、この仕事を依頼したアイスマンから呼び出される。病気に蝕まれ余命幾許もないアイスマンは、マーヴェリックに過去は忘れろと助言し、数日後に息を引き取る。

 敵の動きが活発化し、作戦を早めなくてはならなくなったマーヴェリックだったが、上手くいかず教官の職を剥奪される。元恋人のペニーに悩みを打ち明けたマーヴェリックは、二度と犠牲を出さないと告げ再起を誓う。そして独断で戦闘機に乗り込み、デモンストレーションを完璧にこなし、作戦が成功可能であることを示す。これにより若者たちの信頼も勝ち得て、作戦の編隊長として飛ぶことになる。

 当日、マーヴェリックとルースターたち選ばれた数名は、作戦を決行する。懸案事項だった二つの奇跡を成し遂げ、プラントを破壊し脱出を試みる。しかし敵からの反撃に遭い大量のミサイルに襲われ、ルースターを庇いマーヴェリックは被弾し墜落する。マーヴェリックを置いて帰還するよう命令が下るが、ルースターは独断でマーヴェリックの元に向かい、彼を助けたあと自分も墜落してしまう。

 森で再会した二人は、敵基地に残されていた過去の戦闘機F-14で離陸し、敵の第5世代戦闘機と戦闘する。性能の差はあれど見事なコンビネーションを発揮し、敵を2機も撃退する。しかし満身創痍のマーヴェリックたちの元に再び敵が現れる。絶体絶命のピンチに、空母から駆けつけたハングマンが敵を撃退し、3人揃って無事帰還する。マーヴェリックとルースターは真に和解し、喜びを分かち合った。

 数日後、ルースターとP-51の整備をしていたところに、ペニーと娘が訪れる。マーヴェリックとペニーは、無事帰還できたことを喜び抱き合う。そしてP-51にペニーを乗せて飛び立っていく。ルースターは父グースとマーヴェリックの写真と、自分たちの作戦が成功した写真が並んでいるのを見て、微笑むのだった。

解説

世界中の人々を元気づけたマーヴェリックの不屈の闘志

 『トップガン マーヴェリック』は、本国アメリカだけでなく、日本、いや、世界を熱狂の渦へと巻き込んだ。彼/女らは、マーヴェリックの不屈の闘志に、涙を流した。

 興行収入は、北米歴代興行収入で5位を記録し、世界興行収入ではトム・クルーズのキャリア史上最高額の10億ドル超えを達成、日本では100億円を突破した。しかし、本作の影響力は、この輝かしい興行収入ですら正確に表しきれていない。観客はド迫力の戦闘映像に満足しただけでなく、トム・クルーズ演じるマーヴェリックの勇姿に力強くエンパワメントされた。彼/女らは、マーヴェリックの姿に「お前らも未だ舞える、オレのように」というメッセージを読み込み、未だみぬ自分の可能性に涙した。オレは、まだ、マーヴェリックのようにやれる、と。

 『君の名は。』や『天気の子』で有名な日本を代表するアニメ映画監督である新海誠はこういっている。

とても久しぶりに映画館に行き、『トップガン マーヴェリック』を観てきました。凄く良かったです! 映画館で映画を観たいという欲望を、久しぶりに気持ち良く満足させてもらえました。僕たちの作っているものも、仕事のスケールはずいぶん違うのだろうけれど同じ映画です。がんばろう、あらためて。

新海誠、Twitter

 注目すべきは「映画館で映画を観たいという欲望を、久しぶりに気持ち良く満足させてもらえました。」という率直な感想の最後にある、「がんばろう、あらためて。」という一文である。彼にとってこの一文は、最後になんとなく付け足しただけのものかもしれない。しかし、その一文を思わず付け足したくなるような力が、本作にはある。新海だけでなく世界中の人々がこの映画に力付けられ、「満足」の後に思わず「がんばろう」と奮い立ったのだ。

 したがって本作に心動かされた人は、36年前の1986年に公開された前作『トップガン』のファンだけではない。偶然映画館に立ち寄った人から、36年前には生まれてすらいなかった若者まで、多くの人が元気をもらった。そして新海のように、仕事の取り組む自らの姿にマーヴェリックの勇姿を重ねようとしたのである。

考察・感想

俺たちは未だやれる

 この映画のメッセージはただ一つ、俺たちはまだやれる、である。

 現場主義を貫き昇進を拒んできたマーヴェリックは、アイスマンの推薦でトップガンの教官に任命される。ある犯罪組織が建設したウラン濃縮プラントを破壊するという任務のために集められたのが、トップガンの卒業生の中から選ばれた成績優秀で、トップの中のトップパイロットたちである。

 そんな彼/女らを訓練するのがトップガンの歴史の中でも伝説的な存在、マーヴェリックである。トップ中のトップを統べる者として活躍するマーヴェリックは、「ハリー・ポッター」シリーズのダンブルドアや漫画『ナルト』の自来也の位置に近い。だが、彼らと決定的に違うのは、マーヴェリックが年老いていない点である。もちろん、彼の設定年齢は若者たちから30歳以上も離れていて、その意味では間違いなく老いている。しかし彼は精神的にも肉体的にも全く老いていない。イケイケの若者が乗るような大型のバイクを走らせ、元恋人のペニーと復縁し、若者に混じって海辺で上裸でアメフト(?)をプレーする。彼等を分つのは、教官と生徒という立場だけであって、決して年齢ではない。マーヴェリックは36年前のあの頃から、精神的にも肉体的にも全く変わっていないのである。

マーヴェリックは無双する

 多くの人が前半部分を鑑賞しながら、本作が描くのはマーヴェリックが父へと成長する姿だと勘違いした。ニヤけ顔を「またその目つき」と注意される少年のような悪戯心を持ったマーヴェリックが、生徒を持ち亡き親友の息子と関わるうちに真に父になる物語。そこでは、子供達の意見を尊重するために自らを犠牲にし、子供達の身を案じながらも信頼し全てを任せる、といった父の態度とその過程が問われ、マーヴェリックと共に父になった観客が自らを見つめ直すはずだった。

 しかし、マーヴェリックが観客をエンパワメントしたのは、それとは真逆の方向である。マーヴェリックはこの歳にして、編隊長に任命され戦闘へと繰り出す。彼はそこでも決して若者たちの手を煩わせることはせず、誰よりも早く全てを完璧にこなす。ルースターに救われる場面も、彼が望んだことではないし、もちろん彼の落ち度でもない。マーヴェリックがルースターの危機を救ったがために、仕方なくそうなってしまったのである。

 極め付けに、何故か敵基地に置いてあったP-51に乗り込み、彼は自力で帰還する。その途中、第5世代戦闘機と戦闘になっても、決してめげることはない。マーヴェリックはどのような状態でも、自らの手で危機を脱し、一切の妥協なしに全てを薙ぎ倒す。このマーヴェリック無双を描くために、この映画はある。ありとあらゆる論理的展開は、マーヴェリック無双を導くために、如何様にも変更される。教官であっても戦闘に加わるし、敵地に墜落しても生き延びるし、旧式のP-51が理由もなく敵地に置かれてる。論理は二の次、まず初めにマーヴェリック無双が存在していて、その後に他の全てが配置されているのである。

老人であり若者であるという矛盾した身体

 敵機を破壊するために山の谷間を飛行するシーンは、『スターウォーズ エピソード4』のデススターを破壊する有名なシーンのオマージュである。『スターウォーズ エピソード4』は父と子の物語であり、子が父を倒すために成長する物語なのだから、オマージュするにふさわしい。だが、本作では『スターウォーズ エピソード4』の父と子がマーヴェリックに集約されている。すなわち、マーヴェリックは子のまま父になるのだ。

 子であり父であることは、一つの矛盾である。この矛盾を貫き通すために、マーヴェリックは無敵の身体が与えられた。それは老いていながら、若者ですら耐えることの難しい10Gという強烈な重力をくぐり抜ける、強力な身体である。

 強い重力がかかった人間を見たことがあるだろうか。人間は重力がかかると、ハリのある肌でもすぐさま垂れ下がり老いたように見えてしまう。どんなに若かろうとそれは変わらない。そして重力が掛からなくなるまで、元の顔に戻ることはない。

 その意味で重力は老いを意味している。彼はその身体を使って、敵地を爆撃後、山肌に沿って急激に上昇するとき、意識が飛ぶほどの重力を感じる。だが、無双状態のマーヴェリックは、重力に打ち勝つ。このとき彼は重力=老いに打ち勝つことで、老人でありながら若者であるという矛盾を生きる身体を獲得した。そして多くの観客が、マーヴェリックが引き受けたこの矛盾に、感動したのだ。マーヴェリックが示したように、オレたちはまだやれる。前半で期待した父へと成長する物語は、必要ない。オレたちはまだやれる。いや、経験を持ち合わせた老人でありながら屈強な身体を持つ若者の、オレたちしかいないのだ。「がんばろう、あらためて。」映画を見終わった後、妙な自己肯定感と明日への希望を抱きながら、自らに言い聞かせるように多くの人がそう呟いたに違いない。

補遺

 この物語は、前作から必然的に導かれるものではない。前作にあった一つの要素の延長線上に本作があることは間違いないが、しかし、違う物語が作られる可能性もあった。『トップガン』にはもっと違う可能性があったのだ。『トップガン』の可能性の中心は、こちらの記事で論じられている。『トップガン マーヴェリック』に満足できなかった人は必読である。

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評価(批評・評論・レビュー)

1986年に公開されるや大ヒットを記録し、主演のトム・クルーズを大スターとしてブレイクさせた、アメリカの戦闘機アクション大作『トップガン』。その正統な続編『トップガン マーヴェリック』が、ついに公開された。長年の間、製作が計画、準備されていたが …… 全文

ーー realsound.jp(小野寺系)

加筆中(おもしろい評論、または、載せてほしい論考などがありましたら、コメント欄にてお伝えください)

動画配信状況

『トップガン マーヴェリック』配信状況比較

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dTV31日間550円
FOD✖️✖️976円
ABEMAプレミアム✖️2週間960円
Netflix✖️1,440円
クランクイン!ビデオ14日間990円
mieru-TV1ヶ月間990円
dアニメストア✖️31日間550円
◎☆:おすすめ、○:無料、☆:実質無料、△:別途有料、✖️:配信なし(2023年4月時点の情報。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください)*実質無料とは、無料ポイント付与により別途料金を払わずに視聴できるということ。詳細:『トップガン マーヴェリック』おすすめ無料フル視聴方法

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